2019年10月11日(金)
近年は英会話力が重視される時代です。新入社員を採用する際にも英検やTOEICの成績が採用のポイントになる、という基準を採っている会社も多いでしょう。それに合わせて、今の学生のほとんどは何かしらの検定を受験する必要があります。あるいは、これまでは苦手だったけれど、最近外国から派遣された社員がやってきたので、英会話の必要性を痛感している方もいるかもしれません。
とはいえ、何から勉強すればよいかわからない、という方は多いのではないでしょうか。学校ではまず文法や単語を学ぶように教育されますが、社会人になってからひとつ一つ学んでいくのは大変です。一から学んでいく時間はないけれど、とにかく英語がしゃべれるようになりたい、という際には慣用句を学ぶのがおすすめです。
たとえば我々日本人が何か困難な事柄に向き合ったとき、「これは骨が折れそうだ」という慣用句を使います。骨が折れる、と言っても実際に折れるわけではありません。あくまでもこれは骨が折れるくらい大変な状況だ、という意味を持っている言葉なのです。このように慣用句には簡単な単語で複雑な状況を説明できる力があるため、会話で使う際にはとても役立ちます。
もちろんこれは海外の人にとっても例外ではありません。外国人の会話を注意深く聞いていると、しばしばこの慣用句に出会います。この慣用句さえ覚えておけばコミュニケーションも円滑になりますので、単語を覚えるよりもこれを覚えた方が会話には役立つのです。
今回は海外の人が日常会話でよく使う慣用句をいくつか紹介していきましょう。
人を落ち着かせるときに使えるDon't freak out.
海外から日本にやってきた人はなかなか言葉が伝わらないので、思うようにいかない場面に遭遇しやすいものです。そういうとき、彼は声を荒らげたり、物に当たったりして怒りを表現しようとするでしょう。
その際に役立つのがDon't freak out.という言葉です。日本語で言うと、まあ落ち着け、というくらいの意味が込められている言葉ですが、日常で使うにはとても役立つでしょう。同じように怒ってほしくない、ということを伝えたい際にはDon't be angry.とい言う言葉も使えそうです。
しかしながら、angryという単語を使うとやや形式ばったニュアンスを与えてしまいます。我々日本人も怒るな、と直接的に言われたら、自分が怒っていることを認めろと言われているようなものですから、やや心外でしょう。そうではなくDon't freak out.とやや遠回しに言うことこそ相手を落ち着かせるには効果的なのです。
なお、このDon't freak outはさまざまなシーンで使える言葉です。freak outには「混乱する」や「パニックになる」といった意味も込められています。それにDon'tをつければ「混乱するな」や「パニックになるな」という意味になるのです。ですからたとえば仕事でミスをして慌てふためいている人にも使えますし、何かに対しておびえている人に対しても使えます。身近にいる人が声をかけてあげれば混乱や恐怖は収まりやすくなりますので、積極的にこの言葉を使っていくようにしましょう。
仕事を頑張らせたいときにも、頑張らせたくないときにも使えるcut corners
最近取り組んでいる仕事がとても重要な案件なので社員全員に頑張ってもらいたい、というシーンは必ずあります。
そういうときに使えるのがWe don't cut corners.という表現です。cut cornersには近道をするという意味が込められていますが、これを仕事の際に用いれば手抜きをする、という意味になるでしょう。手を抜かずプロジェクトを完遂したい、というときに仲間たちを奮い立たせるためにはこの言葉が役に立ちます。
一方でこの言葉は最近頑張りすぎている社員を休ませるときにも使える表現です。最近残業続きで顔色が悪い社員を見かけたら、You have to cut corners.と声をかけてみましょう。この言葉には、たまには息抜きをしろよ、という意味が込められています。できる上司は部下に対して目配りができる人物でなければいけません。効率のいい仕事を行うためには休息も必要なので、この言葉を使ってうまく休ませてあげましょう。
具合が悪いときは遠慮なくI am feeling a bit under the weather.と伝えよう
我々は、体調が悪く欠勤せざるを得ないときは、あらかじめ会社に連絡します。とはいえ、時には出勤したはいいものの、なんとなく気分がすぐれない、ということもあるでしょう。そうしたとき外国人の上司から様子を訊ねられたら、いったいどんな言葉を使えばいいのでしょうか?
仮に自分にも原因がわからないとしておきましょう。風邪なのか二日酔いなのか、とにかく理由がわからないが気分が悪い、というときは言葉にするのが大変です。英米人はそういう場面に出くわしたら、I am feeling a bit under the weather.という言葉を使っています。直訳すると天気が悪いように感じる、という言葉ですが、英語ではこれで具合が悪い、という意味になるのです。
日本人でも風邪はcoldと言えばいい、とか、胃痛はstomach acheだ、というのは勉強すればわかることです。しかし、なんとなく気分が悪い、というのは意外と学ぶ機会がありません。この言葉をしっかりと覚えておいて、上司に気遣ってもらうために使っていきましょう。
あいまいな事実を伝えたいときに使うThings are still up in the air.
ビジネスの取引では交渉がうまくいかない場合がしばしばあります。もう少し交渉すれば相手からよい条件が引き出せそうだけど、今の段階でははっきりとしたことが言えない、という場面はよくあるでしょう。
そんなときに外国人の上司から交渉の状況を訊ねられたら、どう答えたらいいか迷ってしまうものです。交渉の状況を逐一説明するのも大変ですし、かといってあまりうまく言っていない、と言ってしまったら信用を失ってしまうかもしれません。
あいまいな状況を伝える際には、Things are still up in the air.と答えましょう。直訳すれば物事が宙に浮かんでいる、という言葉ですが、日本語に直せばまだ何も決まっていない、という意味になります。こういう言葉をうまく使えるようになれば、上司の方もしっかりと頑張ってはいるのだ、と思ってくれるでしょう。
今回は日常会話で使えそうな慣用句を4つ紹介してきました。もちろん学ぶべき慣用句はこれだけではありません。英語にはたくさんの慣用句が存在しますので、それらのすべてをマスターするのは大変でしょう。
しかしながら、せめて半分くらい覚えておけば役立つのは間違いありません。慣用句をたくさん知っているというのは英語に精通している証です。何気ない会話で慣用句を使いこなせれば、外国人からこいつはなかなかできるヤツだ、と思われることは間違いないでしょう。
普段から慣用句をたくさん学び、さりげなく使えるようになれば周囲から一目置かれるようになります。しっかりと勉強し、日常に役立てていきましょう。