イギリス英語とアメリカ英語はどちらを勉強すべき?

2019年8月27日(火)

イギリス英語とアメリカ英語はどちらを勉強すべき?

英語を身につける際、イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学ぶべきなのでしょうか?どちらも良い部分を持っていますが、今回はそれぞれの違いや特徴を踏まえてどちらを選択すべきかご紹介いたします。

英語を勉強すると決めたときにふと疑問に思うこと

英語を身につけるため勉強しようと決めたものの、ふと疑問に感じることがあります。それは、英語にはイギリス式とアメリカ式のふたつがあることです。通常、英語と呼ばれてはいるものの、イギリス式なのかアメリカ式なのかを明確に分けるために、ときに米語という表現を使うことがあります。

米語とは、イギリス式ではなく、アメリカで使われている英語という意味になりますので、違いがあることをまず知っておくことが大事でしょう。この事実を知ったうえで、ではどちらを勉強すればよいのか、という新たな疑問がわいてきます。この疑問に対する答えは、いくつかの相違点から導くことができます。

そもそも英語を学ぶ目的は何なのか

まず、どちらを選ぶかは、英語を習得したいと考え、またその目的は何かを明確にするところから始めることが大事です。

留学が目的なのであれば、行き先に合わせ、イギリスへ行くなら当然イギリス英語を勉強しておくに越したことはありません。それというのも、イギリスで使われている英語は発音の美しさと文法の正しさを重視しており、さらに紳士の国と呼ばれるだけあって、非常に丁寧な礼儀正しい表現の英語を使うのが特徴だからです。

それに対してアメリカで使われている英語は米語と呼ばれ、あえてイギリスの英語とは区別されていることからも分かるように、言葉自体をしばしば省略しているところが特徴です。もともと移民によって生まれた多人種国家であるアメリカでは、母国語が英語ではない人も多かったことから、長い言葉は自然と短縮され、また発音しやすい言い方へと変わってきました。その結果、スラングと呼ばれる非常に雑な言い方も生まれましたが、一方で単語やセンテンスで使われる言葉が少なく、比較的簡単なことから習得しやすいのも事実です。

日本ではアメリカ式の英語を学ぶため、耳慣れた音や使い慣れた単語やフレーズを学べるという点で、イギリスで使われている英語よりも習得しやすいと言えるでしょう。また、英語を学ぶためにアメリカに行こうと考えている人や、ハリウッド映画を見て英語を話せるようになりたいと思った人なら、アメリカ英語を学ぶのがいいでしょう。

イギリス人にとってのアメリカ人の英語とは

イギリス人が話す英語とアメリカ人が話す英語とは、発音が微妙に異なります。よく知られているのが、できるという意味の「can」で、日本人の耳には、イギリス式は「カン」、アメリカ式では「キャン」と発音されているように聞こえます。

さらに、否定形の「not」も、イギリス式では綴りの通り「ノット」と聞こえますが、アメリカ式では「ナット」と聞こえることがほとんどで、この発音によってイギリスとアメリカの英語は、聞いたときに明らかに違うと感じるのです。

そのため、見た目は同じ英語圏の人だとしても、話してみるとこの人はイギリス人、こちらの人はアメリカ人、とすぐに分かる特徴があるのです。この発音の仕方の違いによって、上品で丁寧な英語を大事にするイギリス人が聞くと、アメリカ人の英語は雑ということになってしまいます。また、言葉を短縮していることが多いアメリカ式は、イギリス人にとってはその程度の言葉も話せないのかと考え、自分たちの英語の方がより優れているという優越感にもなっています。学校ではずっとアメリカ式を学んできた日本人ですが、これからイギリスに留学したいと考えている人は、イギリス式を学んでから行く方がいいでしょう。

アメリカ人も黙っていない

丁寧な表現や正しい文法にこだわるイギリス人の英語に対して、アメリカ人はアメリカ人で、イギリス人はお高く止まっているというネガティブなイメージを持っています。また、正しい発音にこだわるイギリス式は、どちらかと言うと言葉がいささかぶつ切りに聞こえるのに対し、アメリカの英語は流れるように発音されて聞こえるのが特徴です。そのため、ハリウッド映画などではこのアメリカ式の発音がセリフに臨場感を与え、格好いい英語に聞こえる効果を持っています。

アメリカ人にとっても、より耳に心地よく、世界中で広く使われている英語はアメリカ式である、というプライドを持っていることから、両者は常にどちらが優位性を持っているかで、しばしば議論の的になることも珍しくありません。アメリカに留学するつもりならば、アメリカ式を学んでおくのが無難でしょう。

結局のところはどちらがよりプラスになるかと考える

イギリス式の英語は文法を大切にするため、イギリス人講師は必要に応じて米語を教えることも可能です。米語の文法は英語の文法よりもシンプルなので、イギリス式の複雑な正しい文法を理解している人にとっては、米語の文法はとても簡単に感じられることから、教えることが可能なのです。

一方の米語を教えるアメリカ人講師は、会話のセンテンスや日常会話位を教えることはできても、文法について細かく丁寧に教えることはできません。特にイギリスの複雑な文法となるとお手上げ状態になりますので、英語を学ぶにあたって何を求めるのかをはっきりさせることが、英語と米語のどちらの習得がよりプラスになるかを考えるときの決め手になると言えるでしょう。

イギリスの若者とアメリカの若者

いつの時代も新しい言葉を作り出すのは若者たちですが、面白いことにイギリスの若者はアメリカ英語を格好いいと感じ、同様に、アメリカの若者はイギリス英語を格好いいと感じているという調査結果が出ています。若者のこの意識の持ちようによって、近い将来、英語と米語がミックスされた新しいタイプの英語ができるかもしれません。

しかしながら現実問題としては、標準英語はイギリス式であり、アメリカ式ではないことを踏まえ、学んだ英語をどこで使うかが選択のカギとなります。アメリカやカナダで暮らすつもりの人、カジュアルで簡単な単語で話したい人にはアメリカ英語が向いています。

一方、イギリスの英語をおすすめするのは、イギリスを構成する4つの国であるイングランド、ウェールズ、スコットランドに北アイルランドのいずれか、もしくはすべてを行き来する予定がある人、イギリス以外の国ではニュージーランドやオーストラリアに暮らす、あるいは仕事で話す必要がある方です。

日本語に似ているのはイギリス式

アメリカ式英語は、母国語としない人でも簡単に話せるように変化を遂げてきたのに対し、イギリス式はより丁寧な言い方をすることを重視し使われ続けてきました。若者の言葉の乱れが進んでいることを嘆く声も聞かれますが、それでも米語よりも丁寧な話し方であるのは確かです。

そんな丁寧な言葉を使うという点は、日本の敬語によく似ています。相手の年齢や地位を敬い、さらには話し方によってよりよい印象を与えたいのであれば、伝統的に正しい文法で、美しい発音を大事にしてきたイギリス式の英語の方が、日本人の敬語に該当する部分が多いと言えるでしょう。皆さんには学校で米語を学んだ基礎がありますので、ビジネスで利用する必要が生じた場合には、イギリス英語を学んだうえで、米語との違いを理解し習得するために勉強するという方法がおすすめと言えそうです。