2018年10月20日(土)
英語の習得を目指す人にとって、週にどれくらい勉強したらいいか、学習時間はどれくらい必要か、いつ勉強すれば効率的かは気になりますよね。学生はもちろん、社会人で英語の上達を目指す人にとっても、勉強時間の確保はとても重要です。英語の勉強と時間について、時間帯別のおすすめ勉強法や短時間でも使える学習用ツールなどと一緒にまとめてみました。
「言語」は人間が発展させた情報伝達ツールであり、コミュニケーションツールです。しかしその「言語」は、国によって違います。日本国内では日本語ですが、英語圏の国に行けば、テレビも日常会話もすべて英語が使われます。留学や海外渡航など英語圏での生活を目指すなら、「英語に慣れること」も大切になりますので、日頃から意識して毎日英語に触れる機会を作りましょう。
また、必要な勉強時間については、「なにを」「いつまで」「どうしたいか」という目標によって変わります。例えば、「日常会話に必要とされる語彙力を身につける という目標を立てたとします。この場合必要な語彙数は3,000語程度とされているので、具体的には「3,000語を覚える」ことが目標となります。これを達成するには、半年以内に達成したいなら毎日約20語ずつ、1年以内なら毎日10語ずつ、身につけていけばいい、ということになります。
もちろん、意欲はあっても、時間が取れないときや疲れて休みたい日もあるでしょう。そんなときは無理せず休んでもいいように、週に一回か二回、しっかり勉強する日を決めておきましょう。まとめて時間があるときにそれまでの勉強内容を振り返り、進捗や目標達成への過程を確認します。時間の確保が難しい人ほど、目標に向かってしっかりした計画を立てることが重要なのです。
人は、朝に起きて活動し、夜には眠るという基本的なリズムの中で生活しています。脳もこのリズムに応じて活動していますが、時間帯によって得意とする働きが変わります。一日の中で脳が得意とする分野にあわせて勉強すれば、より効率的な学習ができるでしょう。時間帯による脳の活動状況とおすすめの学習方法をご紹介します。
・起床後~3時間程度の午前中は集中力と思考力がMAX
きちんと寝て起きた朝は、身体も脳も疲れが取れすっきりクリアな状態なので、思考力や集中力が発揮できる時間帯です。起床直後の寝ぼけた頭は、朝の準備でしゃきっとさせ、まずは暗記した単語の復習問題などでウォーミングアップしましょう。特に、集中力と創造性が必要となる、論文作成やリーディングに取り組むのに最適な時間です。なお、考えると脳がカロリーを消費するので、朝ごはんはしっかり食べましょう。
・正午~夕方の日中はやる気満々で思い付きが冴える
昼から夕方までの時間帯は、身体も脳も活発に活動しているため、やる気が出て思考力も高まっています。ひらめきや発想力が期待できる時間帯なので、何でも意欲的に取り組めます。ただし、昼食後の眠気と夕食前の空腹はちょっとしたトラップです。お昼を食べたあとに眠くなったら、10分程度の仮眠ですっきりしましょう。また、おやつの誘惑に負けてしまうと集中力が途切れてしまうので、区切りが付くまではぐっと我慢です。
・夜はのんびりゆっくりやれるものを 眠くなったら無理せずに
脳と睡眠には密接な関係があり、寝る前に記憶したものは睡眠の間に脳内で整理されるため、記憶として定着しやすいといわれています。また、就寝前に勉強したことが、翌朝ぱっとひらめくこともあります。
このため、就寝前の夜の時間帯は、暗記に取り組むか、勉強した内容の復習・予習などがおすすめです。ただし、あまり脳が活性化すると寝付けなくなることもあります。睡眠はしっかりととりましょう。また、眠くなったら無理はせずにさくっと寝て、早起きした方が得策です。
このように、朝・昼・夜の勉強のポイントを抑えて、一日の勉強のスケジュールを考えてみましょう。例えば、朝10分くらい単語の記憶テストや問題集をやったあとでテキストの読み込みや英作文などに取り組み、日中は朝の続きを進めて、夜は見直しと単語などの暗記を行う、といった具合です。都合が付く時間帯に応じて時間配分を工夫し、自分なりのルーティンを作ってみることをおすすめします。
勉強を続けていくには、やはり勉強そのものを楽しめるかも重要なポイントです。自分が知っているものや好きなことから入っていくのもおすすめです。短い時間でも取り組めて、楽しみながらできる勉強方法やツールをまとめてみました。
・好きな洋楽曲を教材にする
「洋楽から英語の勉強をはじめた」という人は実は多いのです。気に入った曲なら何度聞いても苦ではありませんし、歌えるようになれば嬉しいですよね。ただし、英語学習に向いている選曲が必要です。
具体的には、「日常会話に使うような表現が使われている」、「スラングや訛りを極力含まない」、「歌詞の意味を知りたい」といった曲を選んでみましょう。まず、最初は歌詞を見ながらリスニングで単語の聞き取りに挑戦し、次に歌詞を見ずに聞き取った単語や歌詞の書き起こしをやって、最後は歌詞の翻訳に取り組んでみましょう。また、実際にカラオケなどで歌ってみて、発音や発声にもチャレンジしてみるといいでしょう。
・好きな海外ドラマを教材にする
米国や英国で制作された人気のドラマ作品を教材にして、英語を勉強してみましょう。ドラマで英語を学習する場合は、多言語音声と字幕機能を活用します。音声は英語を選択、日本語字幕表示で意味を確認し、英語字幕で英語表現を確認します。何度も再生して、気になる表現や単語をピックアップしていきましょう。字幕に頼らなくてもなんとなく意味がわかるようになることを目指します。
・好きな翻訳作品の原作小説を教材にする
英文に慣れたい、読解力を強化したいなら、ペーパーバックなどの洋書を読んでみましょう。翻訳版を読んだことがある作品や、ドラマ・映画などで大まかなあらすじを知っている作品を選ぶのがおすすめです。その際のポイントは、自分の語彙力やレベルにあったものを選ぶことです。初心者には、比較的簡単な表現が多く単語数も抑えてある児童書の英語版や、わかりやすい表現が多いビジネス書がおすすめです。
「忙しくて時間が取れない」という人でも、毎日必ずスマートフォンを見る時間はあるのではないでしょうか。そんな方のためにおすすめしたいのが、電子端末を活用した英語の学習です。スマートフォン向けのアプリストアには、英会話や単語・リーディングなども含めた英語学習用アプリが数多く存在しています。有料のものはもちろん、無料のアプリにも評価が高いものがあります。また、英会話学習者向けの動画を配信しているサイトもありますので、一度チェックして見てはいかがでしょうか。タブレットやPCも同様に、アプリや動画配信サイトを活用した英語学習が可能です。
また、電子書籍も英語学習と相性のよいツールです。辞書機能や音声読み上げ機能を活用することで、意味がわからない言葉や発音がわからない単語をすぐに調べることが可能です。マーカー機能もありますので、気になった文章をチェックしてあとで確認したりまとめたりすることもできます。以前は専用の端末が必要でしたが、最近は多くがアプリをダウンロードすればスマートフォンやパソコンで利用可能です。有料登録によって無料設定の書籍が読めるサービスや雑誌が月額読み放題のサービスなどもあります。
このように、英語の学習は、実はやろうと思えばいくらでも方法があるのです。「時間がない」人こそ、ツールを最大限活用して、具体的な目的とその達成のために無理のない目標を設定し、計画を立てて実行していくことが重要になります。
一方で、計画通りにできない時があっても「まあいいか」と気にしすぎないことが大切です。どんなに小さな積み重ねでも、やらないよりはやった方が目的達成に近付きます。また、定期的にTOEICを受ける、英作文の問題集を解くなどの方法で、勉強の成果を確認することもおすすめします。