2018年8月12日(日)
ワールドワイドな活躍が可能な昨今、海外留学に興味を持つ人は少なくないでしょう。しかし、海外へ渡りさらに複数日数滞在するとなると、費用もそれなりに必要です。この点がネックとなって実現が困難に感じられてしまう、そんな人も多いことでしょう。では、実際に留学するにはどのくらいの費用が必要なのでしょうか。具体的な金額を考えつつ、チェックしていきましょう。
一口に「留学費用」とまとめるわけにはいきません。なぜなら、さまざまな面で費用が発生するためです。そして、海外にしばらく滞在してなおかつ勉強に励むとなると、かかる費用は決して安くもありません。それぞれどういった内訳になっており、どれぐらいかかるのか、概算をあらかじめ知っておく必要があります。
まずは、項目について押さえていきましょう。主として、海外教育機関に支払う授業料金・海外渡航のための費用・滞在費用・留学生活を送るための費用に分かれます。またサポートを希望する場合は、エージェント依頼料についても考えておかなくてはなりません。
とはいえ、出費ばかりなのかといえばそうでもありません。滞在方法によりますが、留学中に収入を得ることが可能な場合もあります。いわゆる、現地収入を得られるプランで渡航する場合です。例えば、ワーキングホリデービザ、もしくはアルバイト可能な学生ビザを収得していると、現地での労働による収入を得ることができます。この場合、初期費用をある程度余裕をもって考えることも可能です。
教育機関への支払いといっても、こちらもまたいくつかに分類されます。主には、「Enrolment Fee」こと入学出願費用、「Tuition Fee」と呼ばれる授業料、そして「Material Fee」という名称の教材費用です。
また、語学留学と中学高校、大学、専門学校において支払い形式が変わってくることも頭に入れておかなくてはなりません。語学留学向けの学校であれば、序盤に全期間の支払いを前納するのが一般的である一方、それ以外はタームごとの支払いになります。いずれにおいても学校期間ごとで決まりが違う場合も考えられるので、事前によく確認しておきましょう。
では、特に人気の高い語学留学の場合に必要となる予算額を押さえていきましょう。こちらは、国ごとで相場が異なります。例えば、アメリカロサンゼルスであれば90~112万円ほど、イギリスロンドンは77~115万円、カナダトロントの場合は65~77万円、オーストラリアシドニーにおいては65~80万円ほど、そしてニュージーランドのオークランドなら65~77万円ほどと考えておいてください。
100万円を超えるか切るかというのは、大きな違いでしょう。学習環境にこだわるのも良いですが、費用面についてもしっかり意識しておいてください。
これは、現地を訪れるための費用や、学習、生活に関する費用とはまた異なります。日本国内であれば、どこを訪れるのもどこで働くのも、基本的に自由でしょう。ですがこと海外の場合は、取り決めに従う必要があります。
具体的には、パスポート取得にかかる諸費用とビザ申請費用についてです。留学前に海外旅行を経験済みなら、ある程度調べたことがあるかもしれません。初めての海外の場合は、細かくチェックしておく必要があります。
・パスポート発行費用
まずパスポートですが、10年間有効のものであれば14,000円、5年間有効のものなら11,000円がかかります。なお、前者は20歳以上、後者は12歳以上といった年齢制限が設けられています。十代における留学を考えている人は、自動的に5年間有効となるパスポートの11,000円が費用となってきます。
またもう一点、都道府県収入証紙についても気にしておかなくてはなりません。パスポート発行費用と比べれば安く感じられるかもしれませんが、それでも2,000円かかります。若い人にとっては、無視できない額に違いありません。こちらも合わせて、覚えておいてください。
・各国に渡航するためのビザについて
ビザは、一律に金額が決まっているものではありません。年度や時期、そして国によっても異なります。そのため、申請を考えている時期における費用感を各自調べる必要があります。準備で忙しい中かと思われますが、あらかじめ調べておいてください。
2017年3月の料金を例に挙げると、次のようになります。
国 | 観光ビザ | 学生ビザ | ワーキングホリデービザ |
---|---|---|---|
アメリカ | 160USドル | ||
イギリス | 6ヶ月まで 89ポンド 11ヶ月まで 170ポンド |
230ポンド | |
カナダ | 150カナダドル | 250カナダドル | |
オーストラリア | 20豪ドル | 550豪ドル | 440豪ドル |
上記のように国や種類によって、結構な違いがあることが窺えるでしょう。
滞在先と聞くと、どのようなイメージが湧くでしょうか。留学の場合は、主にホームステイや寮、共同滞在方法であるシェアアコモデーションなどが一般的です。同じ施設に共同で宿泊するという環境に抵抗を覚える人も多いかもしれませんが、一概にデメリットばかりでもありません。日本人以外の人と一緒になれれば、滞在生活の中で語学上達を目指すことができるようになります。むしろ進んで検討しても良いかもしれません。
費用感については、やはりこちらも施設それぞれで設定が異なってきます。ただ、決して安くはないのが実際のところです。目安としては、1ヵ月あたり10~12万円ほどの額を見積もっておくことをおすすめします。少し多めの目安ですが、このくらい余裕を持って考えておけると安心でしょう。
またもう一点忘れてはならないのが、生活費です。食費や雑費はもちろん、学校生活を楽しむ上では現地でできた友達と遊ぶための交遊費についてもある程度持っておきたいところでしょう。ここを絞ってしまうと、ただただ勉強ばかりに焦点を置いた窮屈な留学経験になってしまいかねません。
留学は、ただ現地で学ぶことだけが目的ではないでしょう。異国の風や人々、文化に触れることで、より一層の学習意欲を得るというのもまた、大きな意義です。留学中真剣に学習に取り組めても、帰国してからその経験を活かせないともなれば意味がありません。それこそ、高い留学費用が無駄になってしまうでしょう。期間や目安とする生活レベルに合わせて、生活費もちゃんと考えておきましょう。
初めての留学、さらには初めての国外渡航ともなれば、分からないことだらけでしょう。ですがエージェントのサポートがあれば、比較的安心して臨むことができます。エージェントサービスや留学目的によって費用は異なってきますが、語学留学であれば5~10万円ほどを目安に考えておいてください。中学高校については、約30万円とまた大きく違ってきます。
留学は、決して安く実現できるものでもありません。そのため、少しでも出費を抑えたいと考える人がほとんどでしょう。ですが、抑え過ぎてしまうと、せっかくの経験や学習環境が窮屈になってしまいます。内訳それぞれを理解して、そして相場や予算感を照らし合わせつつ、理想的な費用配分を意識してみてください。