2018年4月30日(月)
仕事の現場では社内、社外に関わらず、相手に許可を求めたりお願いをしたりするシーンが多くあります。日本語には敬語表現があるので、仕事をする上でも丁寧な表現がしやすいです。しかし、日本語と英語の間には微妙なニュアンスの違いがあるため、英会話では知らず知らずのうちに失礼な表現を使っていることもあるのです。
ここでは、ビジネス英語を使用する際に実は失礼になっているNG表現や、ぜひとも使用したい丁寧なフレーズなどをご紹介いたします。
私たち日本人は、学校で「please」はとても丁寧な表現であると習った覚えはありませんか?日本には敬語という文化が存在しますが、海外では柔らかい表現はあるものの敬語は存在しません。日本語直訳で敬語表現だと勘違いしている例が多く見られるので注意が必要です。
ビジネス英語の世界では「please」を使うのはあまりお勧めできません。例えば、「この書類を月曜の朝までに確認してください」と言いたい場合、「please」を使って「Please check this paper until Monday morning.」とメールに書いたとしましょう。
この文章には、「月曜の朝までに確認してよね」という、命令のような強制的なニュアンスが含まれてしまうのです。部下宛てならともかく、目上の人や社外の人に対しては失礼になるので、避けたほうがよいでしょう。人に何かを頼みたいときには、「Could you~?」「Would you~?」といった「~していただけませんか?」という、敬意を表す表現を使用するように心がけましょう。
相手に許可を求めたり判断を仰ぐときによく使用するのが、「May I~?(~してもいいですか?)」です。
例えば、「May I borrow your pen?(ペンを借りてもいいですか?)」や「May I take a day off?(休暇を取ってもいいですか?)」などのケースで使用されます。ビジネスシーンでも多く目にする文章ですが、子どもっぽいニュアンスが含まれているため、あまり頻繁には使用しないほうがいいでしょう。
よりビジネスシーンに合った文章としては、「Would you mind if I ask~?」がおすすめです。「会議用の資料を作ってもらえるかな?」と言いたいときには、「Would you mind if I ask you to make handout materials?」などのように使用します。「May I~?」は、どちらかというと自分のしたいことを尋ねるニュアンスがある一方で、こちらの表現は相手の立場を尊重したうえでお伺いするといったニュアンスがあります。
相手に頼み事をするときや許可を求めるときには、自分の都合を押し付けず、相手のことを尊重した表現を用いるとよいでしょう。
「It would be great if~.(もし~していただけると嬉しいのですが)」という表現は、あらゆるシーンで使用できる便利なフレーズです。例えば、「It would be great if you give me a quick explanation.(簡単に説明していただけると助かるのですが)」というように使います。
他には、「I'm wondering if you could approve this?(こちらでよろしいでしょうか)」のような表現もビジネスシーンでよく用いられます。この文章は直訳すると「こちらを認めてもらえるかが気になります」といったニュアンスですが、とても丁寧な表現で相手に許可を求めることができるフレーズです。
日本と海外では文化・習慣の違いから、ビジネスの現場でもちょっとした勘違いが大きな失敗につながる場合があります。日本では丁寧だと思っていた表現が、海外では失礼にあたることも多々あるので注意が必要です。
「please」や「May I~?」など、学校では丁寧な表現と教えられたことが、実際のビジネスシーンでは使われないことも多く、特に目上の人や社外の人と接触する際には気をつけるようにしましょう。このようにきちんとした表現をマスターすると、相手にとてもスマートな印象を与えることができます。