語彙力UP!「どういたしまして」「お疲れさま」が伝わる英語とは?

2017年11月4日(土)

語彙力UP!「どういたしまして」「お疲れさま」が伝わる英語とは?

外国人に「Thank you」と言われたとき、あなたは何と返答しますか?

学校では、お礼を言われたときの返しとして“You’re welcome“と教わる人が多いでしょう。「お疲れさま」や「どういたしまして」という使い方もできるとてもスタンダードな言い方で、どんなシチュエーションでも使えるフレーズですが、実は他にも適切な表現はいくつかあるのです。

相手との関係性や場面に合わせて、自然な返しができるように定番フレーズをいくつか覚えておましょう。今回は、ネイティブスピーカーもよく使う表現を紹介します。

「ありがとう」への返答マナー!日本語と英語の違いとは?

実践に移る前に、日本語と英語の違いについて知っておきましょう。

普段はあまり意識することはないでしょうが、日本語の中には特有の言い回しがあり、それをそのまま英語に変換すると意味が通じないことがあります。たとえば、日本語で「ありがとう」と言われたとき、「いえいえ」もしくは「いいえ」と返すのは不自然ではないですよね。これは、「いいえ」のあとに「当たり前のことです」「大したことはしていません」といったニュアンスが含まれており、へりくだりの意味が込められています。日本人同士なら、「いいえ」のあとに続くこういった微妙なニュアンスを感じ取りやすいですが、これをそのまま英語に変換し、“Thank you“に対して“No“と言うだけでは意味が通じませんし、失礼な印象を与えてしまいます。「ありがとう」に対して否定の言葉で返すのは日本人特有といえるでしょう。

ほかに、日本語ならではの表現としては「お疲れさま」も挙げられます。実は、英語には「お疲れさま」に該当するフレーズがありません。そのまま訳そうとするのではなく、場面に応じた適切な言葉に換言する必要があります。

「どういたしまして」や「お疲れさま」が伝わる英語フレーズ

“Thank you“に対する返事としては、前述の“You’re welcome“は定番フレーズであり、どんな場面でも、誰に対しても使えます。さらに丁寧にするなら、“very“もしくは“most“を加えて“You’re very(most) welcome“と言いましょう。これは“You’re welcome”を強調する表現で、「いえいえ、とんでもありません」といったようなイメージです。目上の人に対して、あるいはお店でお客様に対してなどによく使います。 また、丁寧な言い方としては“Not at all”や“It’s my pleasure”もあります。 どちらも意味は「どういたしまして」ですが、少し古風で、かしこまった印象を与えるため、フォーマルな場での使用が好まれます。

「お疲れさま」については、どんな場面で使うのかをよく考えることがポイントです。 たとえば、仕事を終えた後、労うつもりで言うのなら“Good job”(よくやった)や“It was great”(すばらしい)などがふさわしいでしょう。目上の人には使えませんが、同僚や後輩がいい仕事をしたときには使いやすい言い回しです。

すぐに使える!カジュアルな英語フレーズ

家族や友人との会話なら、もう少しくだけた表現のほうがフィットするでしょう。たとえば“No problem”(問題ないよ)や“That’s OK”(いいんだよ)などは、カジュアルな会話で使いやすいフレーズですし、“Sure”(もちろん)も日常でよく使われる表現です。sureにはもともと「確信、当然」などといった意味がありますが、この場合は「当然のことをしただけ」というニュアンスで使われます。これらは気を使わない相手に対して、気軽に「いいよ」と伝えるときに使います。

同じく“Anytime”(いつでも)も気軽に使われている表現で、「いつでもどうぞ」「あなたの頼みならいつでも」といった意味があります。加えて、ネイティブは“You bet”もよく使います。”bet”はもともと「賭ける」という意味であり、“You bet”をそのまま訳せば「あなたが賭ける」となります。また、そこから派生して、「あなたが賭けてもいいくらい当然である=もちろん」の意味で、会話の中で広く使われていますが、カジュアル度がかなり高いフレーズなので、ビジネスシーンで使うのは避け、仲間内で使うよう留めておいてください。

また、ビジネスシーンでは「お疲れさま」を言う場面に出くわすことはよくありますが、中にはただの挨拶代わりに使うこともあります。そんなときは単に“Hi”(やぁ)や“How are you?”(調子はどう?)と聞くだけで事足ります。

シーンに合わせて使い分けてみよう

このように、同じ言葉を伝えるのでも話している相手やシーンによって選ぶべき言葉は変わります。「友人同士」「職場」など、日常のさまざまな場面をイメージしながら、どんな言葉を使うべきか考えてみましょう。

TPOに応じて言葉を使うためには、言葉をただそのまま覚えるのではなく、その意味やニュアンスをしっかり把握することが大切です。また、こういったさまざまな表現を覚えておけば、会話の中で相手が何を伝えたかったのかも理解しやすくなります。英語力アップに向けて、習得を目指してみてはいかがでしょうか。