2017年8月19日(土)
社会のグローバル化の進歩や技術の発展により、海外との距離は日に日に縮まってきています。世界の共通語としての英語力がますます重要視される今日ですが、実は日本人は英語が下手だと世界中から言われています。私たちは義務教育でも高等教育でも英語を習っているのに、なぜうまく英語を扱えないのでしょうか。その答えは、もしかしたら暗記型の英語学習法にあるかもしれません。そこで、英単語やフレーズを暗記する学習法には果たして効果があるのか、詳しく解説していきましょう。
赤ちゃんと大人とでは、言語の学習法は異なります。赤ちゃんは、周りの人達から同じような言葉を何度も語りかけられて、少しずつ言葉を覚えていきます。しかし、大人になると、そのように語りかける周りの人もいなければ、語学学習に対していねいに長時間をかけることもできません。
暗記は語学において上達の基本であり、英語においてもそれは同じことです。知らない単語やフレーズがあるとそこで会話がストップしてしまいますし、読書なら一旦中断し、辞書で調べねばなりません。
単語やフレーズは知らないよりは知っていたほうが、英語の上達に対しはるかに有効的です。しかし、英単語や英会話のフレーズを丸暗記したとしても、実際にネイティブの人たちとの会話が困難に感じるのは、いったいなぜでしょうか。それは、大切なことを見落としている可能性があるのです。
教科書や単語帳で習う単語やフレーズは「非常に正しい」英語であることが多く、ネイティブの人たちからみれば、少し奇妙に映ることもあります。決して間違った単語やフレーズではありませんが、ネイティブはいつも難しい単語や基本的な言い回しを使って会話をしている訳ではなく、簡単な単語の組み合わせでやりとりすることもたくさんあります。
また、会話をしているお互いの出身地や年齢によって、同じ意味でも表現の仕方が異なることは珍しくありません。日本語にも方言があるように、英語にも方言があります。シニア世代は少々古い英語を使うことがありますが、若者はシニア世代でも理解できないようなくだけた表現を好んで使います。このことを知らずに標準英語ともいえる単語やフレーズだけを覚えていても、実際の会話ではあまり役に立ちません。
また、英会話では、発音も大きなネックとなります。特に単語帳だけで単語やフレーズを暗記した場合、発音を身に付けることが疎かになりがちです。英語には、単語のアルファベットの羅列からは思いもよらないような発音を持つものもあるため、音も一緒に覚えることはとても大切なのです。
言語学習は読み書きだけではなく、会話もまた言語のなかで重要な役割を担っています。相手が言っていることを聞いて理解し、返答することで会話は成り立ちます。単語をたくさん知っていたとしても、実際に会話ができなければ自信を失い、英語嫌いになるかもしれません。
大切なことは、暗記だけでは英語はできない、ということを自覚し、生の英語をたくさん聞いて耳を鍛えておくことです。発音はもちろんのこと、間の取り方やフレーズ全体の流れを耳に覚えさせておくことで、英語が楽しくなってくることでしょう。
英語をマスターするために、英単語やフレーズを暗記することは決して間違いではありません。しかし、暗記は読み書きに有効的でも、話したり聞いたりする会話ではなかなか応用が効きにくいことも事実です。
単語やフレーズを丸暗記しただけではネイティブの人たちと会話を楽しむことは難しいものです。実際にたくさん声に出して、自然に理解したり口から出るまで何度も反復することが大切です。