2016年8月13日(土) ※追記:2020年5月21日
現在、英会話を勉強している方は数多くいらっしゃいます。一方で、英語を話すときTPOに合わせて言葉遣いを使い分けている方は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか?
日本語で話す場合と同じように、英語で話す場合もシチュエーションに合わせてふさわしい言葉遣いや行動を判断することが大切です。ここでは、TPOに関する基礎知識と、TPOに合わせて英語を使用するポイントを、例文を交えながらご紹介していきます。
TPOの意味
TPOとは、「Time(時)」「Place(場所)」「Occasion(機会)」の頭文字を取った言葉です。和製英語であり、3つの要素をまとめて「ティーピーオー」と読みます。そんなTPOの意味は、時・場所・機会に応じて適切な言動を行うことです。たとえば、「TPOをわきまえた服装をする」といった形で、マナーやエチケットを守るべき場面で使われます。
TPOに関する英語表現
社交の場に出るとき知っておきたいTPO。そんなTPOについて人に伝えるときに使える、便利な英語表現をご紹介します。状況に合わせてぜひ活用してみましょう。
appropriate
「適切な」「ふさわしい」という意味があります。「Please wear appropriate clothes.(ふさわしい服装をしてください)」のように使用できます。
decent
「(社会的に)きちんとした」という意味合いがあり、「Put on some decent clothes.(きちんとした服を着てください)」といった表現ができます。
suitable
「適切な」「ふさわしい」という意味の言葉です。「suitable color for business(仕事にふさわしい色)」のように、特定の場面に適した装いを示す方法もあります。
flexible
「融通のきく」「適応性のある」などの意味があります。自由に選択できる意味合いがあり、「flexible working hours system(フレックスタイム制)」のような表現も可能です。
あなたはTPOに応じた英語の使い分けを意識していますか?
アンケートでは、TPOに応じた使い分けをしている人の方がわずかに多いようでした。
(30代/女性/自由業・フリーランス)
(30代/女性/専業主婦)
(30代/女性/専業主婦)
(40代/男性/自由業)
(30代/男性/会社員)
やはり目上の人やクライアントなどに対しては丁寧な喋り方や言葉の使い方を心がけているようです。その点では日本語での会話と同様だといえるでしょう。また専門家同士での会話と友人との会話では違ってくるというのも頷けますよね。
距離感に合わせて直球度を変えるという意見もあるように、相手との関係性がひとつのポイントなのかもしれません。
一方で、使い分けを意識していないという人もほとんど変わらないくらいの数でした。
(30代/女性/無職)
(50代/男性/会社員)
(30代/男性/自営業(個人事業主))
(20代/男性/自営業(個人事業主))
(20代/女性/学生)
TPOに応じた使い分けを意識していないという人の中には、使い分けができるほどの英語力が無いという意識の人が多いようでした。
確かに十分な英語力が無いと使い分けができるほどの余裕が持てないというのも頷けますよね。また英語にはあまりTPOによる使い分けの区別が無いと考えている人や、相手が気にしてないという人も見受けられました。
ただ使い分けの必要性を感じている人も見受けられ、考え方は人によって多少違いもあるのではないでしょうか。
アンケートではTPOに応じた英語の使い分けを意識しているという人がわずかに多いものの、ほとんど同じくらいの割合となりました。
実際人によっては使い分けができるレベルにまで達していないというケースも多いようです。しかし意識ができている人の意見を聞いてみると、日常的な友人との会話と仕事やフォーマルな場ではやはり対応の違う様子がうかがえました。相手との関係で共通するものも異なるのでしょう。
一方、海外旅行ではきちんと相手に聞き取ってもらえるような平坦な英単語を使うという回答も挙がっています。そのように伝えたい内容を相手に理解してもらいやすい言葉の選び方、話し方をすることも大切なポイントではないでしょうか。
使用する表現に注意する
フォーマルなシーンでは、日常会話で使用するカジュアルな表現を使用しないようご注意ください。ビジネス英語に特化した表現を記憶しておき、意識的に使うと良いでしょう。
たとえば、「but(しかし、でも)」は「however(しかしながら)」に、「say(言う)」は「refer to(~に言及する、参照する)」や「mention(~に言及する、触れる)」に必要に応じて言い換えます。
フォーマルな場での頻出フレーズを覚える
目上の方と接する機会が多いフォーマルな場。特に、上司や顧客とのコミュニケーションが欠かせないビジネスシーンでは、あらかじめTPOに適した頻出フレーズを覚えておくと安心です。
「Would you~?(~していただけますか?)」や「I look forward to working with you.(一緒にお仕事できるのが楽しみです)」などは、仕事でよく使われる表現です。
マナーとともに英語を習得する
日本と海外諸国では、言葉が違うだけでなく文化も大きく異なります。英語を学習する際は、言語と併せて外国でのマナーについても学んでおきましょう。
欧米では挨拶をするときにまず握手やハグをしますが、ビジネスシーンでも名刺交換の前に握手をするのが基本です。また、腕組みには敵対の意味合いがあるため、人前では避けてください。
TPOとは、時・場所・機会に応じて適切な言動を行うという考え方です。
日本にTPOがあるように、海外には海外のTPOがあります。英語で話すときもTPOに適した言葉遣いを選ぶとともに、フォーマルシーンで人と接するうえでの態度も併せて学習しておきましょう。
海外では海外の基準に倣って、現地のマナーを守った言動を心がけてください。